daikiho’s blog

不妊治療、本の感想、宝塚、日々思うことなど・・

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

こんにちは😃daikihoです

読んだ本の感想や、子育て、宝塚観劇記録、日々の雑記など‥気ままに書いております。

 

本日の読書記録📕

ブレイディみかこ著「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読みました。

 

 

ブレイディみかこさんの本は先日「ヨーロッパコーリングリターンズ」を読んで面白かったので今回はベストセラーのこちらを読んでみました。

 

daikiho.hatenablog.com

 

 

配偶者とイギリス在住で、保育士として働きながら中学生の息子を育てられている著者。

息子さんはカトリックの公立小学校に通っていましたが、「元底辺中学校」に通い始め、そこで日々起こる様々なトラブル?から人種や階級、貧困、格差などを考える母目線のエッセイ。

こう書くとすごい固い本みたいですが、ベストセラーだけあって読みやすいです。

 

へぇーと私が驚いたのはイギリスの中学校事情。公立も私立も進学先を選べて、選ぶ基準となる詳細な学校ランキングが公開されているそうです。

 

 

そこまでは分かるのですが、そこで入学の可否判断は「学校から近いもの順」だそうです。そうなると「良い学校」の周りの住宅は高騰し自ずと格差がうまれるのだとか。

 

もう学校が格差拡大するシステムになってますよね。

 

 

表面的な海外のキラキラ生活、といった情報はSNSとかでも入ってきやすいけれど、地べたの情報って中々入ってこないので面白かったです。

 

 

息子さんが良い子過ぎて、そんな中学生って色々深く考えるの?良い子過ぎない?って気持ちにもなりましたが、最後の解説でズバリその気持ちを言い当てられてしまいました。ぜひ最後の解説まで読んで欲しい一冊です。

 

ドラえもん論 ラジカルな「弱さ」の思想

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本日の読書記録📕

杉田俊介著「ドラえもん論 ラジカルな「弱さ」の思想」を読みました。

 

 

子どもの頃、春になると公開されるドラえもんの映画を毎年見に行っていました。

子どもたちだけの楽園を作ったり、地底・海底、宇宙などに冒険に行ったり、タイムスリップしたり。

毎年ワクワクして見に行っていました。

 

だけど、ドラえもんの映画ってトラウマになるような怖い描写が結構あるんです。

 

自分自身の存在や、目に見えているこの世の全ては嘘なんじゃないか、みたいな、当たり前と思っている基盤を全部ひっくり返されてしまうような描写です。

 

そんな子どもにはゾッとするようなストーリーは、この本では、藤子F不二雄先生の思想が反映されているのでは、という分析が展開されます。

 

著者は、あくまでも個人的な見解としているのですが、確かに言われてみればなるほど、と納得してしまいました。

 

 

のび太は何度も失敗し、大して成長もしない。

そんなもんだという諦めもありながら、

それでも、

少しはマシになるように、「まっとう」であるように、生きようとすることがのび太の良さなんじゃないか。

 

 

そして、藤子F不二雄先生は、人類と宗教、科学の関係とも同じようにとらえていたのではないか。

戦争は終わらず、格差は拡大し、過去に学ばす失敗を繰り返す。

それでも、少しはマシになることを信じて、生きていかねばならない。

どれだけ失敗を繰り返しても、その「生きること」への希望だけは、藤子F不二雄先生は肯定していたのではないか。

 

 

上手く要約出来ないのですが、私はそんなふうに理解をしました。

 

 

戦争、政治不信、格差。ニュースをみていて、時代?人類?に絶望感を覚えること、私はよくあります。

けれど、それでも。

少しずつマシになることを信じて進む。

 

めちゃくちゃパワーがいるけれど、すごく尊いことだな、と感じるのでした。

私は私に時間をあげることにした

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本日の読書記録📕

レディー・ダック著「私は私に時間をあげることにした」を読みました。

 

 

レディーダックとは韓国の女性作家の方なのですが、この本はちょっと疲れた現代人のためのエッセイ、という感じの作品でした。

 

 

私も子育てですっかりヘトヘトなので、軽い読み心地のものが読みたくて手に取りました。

 

 

 

私の個人的な話なのですが、最近昔からの友達と旅行に行きました。

私の子連れ旅だったので、子どもが寝静まった後、子が起きないよう照明を落として、日常の、誰に話すほどでもない心に浮かんでは消えるような、どうでもいい話をたくさんしました。

 

 

そんな、「昔からの友人と旅先で夜更かししながら話す日常のアレコレ」みたいなエッセイだなーと思います。

 

 

 

さっきは「欲張って余計なことはするもんじゃないね」が話の結論だったのに、今度は「なんでも好奇心をもってやってみるべきだね!」みたいな話しをしだしたりして、さっきのエピソードと矛盾してない?みたいなこともあったりしますが、それが人間っぽいというか、人ってそんなもんだよなーというか。

 

 

家族観とか田舎に対する郷愁とか、韓国と日本の文化的な違いを感じる部分もありますが、それも、「へぇーあなたはそう思うんだ」と、いつのまにか作者と心の中で対話していました。

 

読書って対話なんだな、と改めて気づく1冊でした。

 

かわいい絵と飾らない文章で魅力的な1冊でした😌

perfume costume book

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perfume costume book」を読みました📕

 

 

みんな大好きなアーティスト「perfume」の、デビューから2020年までの「衣装」の拘りやコンセプトについて、全て写真付きで掲載されています。

 

 

ダンスがかっこいいな、素敵な世界観だな〜、となんとなく思っていましたが、その印象に、衣装がかなり貢献していることが分かります。

 

 

 

常に新しいものを生み出すために、あえて既製品を組み合わせたり、かと思えば生地を一から作成したりすることもあるそうです。

 

また、新しければいい、というわけではなくて、perfumeとしての3人の統一感を持たせるための工夫や、パフォーマンスを最大限にみせるための動きやすさへの拘りなども語られています。

 

 

私はめっちゃくちゃなperfumeのファンで詳しい!ってワケではなく、普通に好き、youtubeでたまに聴く〜、くらいのごくごくライトなファン、ですが、

 

私のような90年代生まれは、

「チョコレイトディスコを会社の忘年会で踊った」とか、

「あの主題歌のドラマ好きだったな」とか、

perfumeにまつわる思い出が何かしら一つくらいあるのではと思います。

 

 

なんてったって2005年から15年分なので、「あぁこの曲が流行ったときあんなことあったな」と、色んな自分自身の思い出も呼び起こされて、けっこう私の青春はperfumeと共にあったんだな…なんて気分になりました😌

 

 

私みたいなライトなファンでも十分に楽しめる1冊でした😃

ライブに行ってみたいなぁ〜

 

 

ヘブン

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川上未映子作品を何冊か読んで面白かったので今回は「ヘブン」を読みました。

 

 

この作品は、同級生からのいじめを受けている少年と少女の物語なのですが、善悪とか価値の根源を問うていて、読んでいて自分の価値観が揺らいでしまいそうになります。

 

 

いじめっ子に一言言ってやろうと主人公がいじめっ子と話をするシーンが印象的でした。

 

いじめっ子が理不尽な理屈を並べて、いじめていることをちっとも悪びれないので、「もー!主人公よ、ぶん殴っちまえよ!」と読み進めていたのですが、

 

 

いじめっ子に「殴ったり「できない」側の人間なんだろ?」と言われてしまい、読んでいる私も面食らってしまいました。

 

 

いじめはいけない、人を殴ったり傷つけたらいけない、という当たり前と思っていた善悪の話ではなくて、人を殴りたい、そして「殴れる」、だから殴る。みたいな理屈。

 

 

 

いじめられている主人公に「腹が立つなら殴り返せばいいじゃない。でもできないでしょ?」と言って、いじめっ子は立ち去ってしまいます。

そう言われてしまうと、「え?、え、え…」と私まで何も言い返せない主人公と同じように立ちすくんでしまいました。

 

 


主人公の友人コジマは、それでもこのイジメを耐えること、全てには意味がある、と主人公に訴えるのですが、その考えも、辛い時間を後から自分の中で意味付けできたらラッキーだけれど、「意味があるはず」、と現状をずっと耐え忍ぶ理由にしてしまうとしんどいよな…と思いました。

 

 

意味なんてなかった、と気づいてしまったときが一番辛いですよね。

 

なんだか読後うんうん唸ってしまう作品ですが読んで良かったです📕

ヨーロッパ・コーリング・リターンズ

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ブレイディみかこ著「ヨーロッパ・コーリング・リターンズ」を読みました。

 

人権、貧困、格差などなどに係るニュースは、「みんなが幸せになる方向からぜーんぶ反対にしてみた!」みたいなものばかりで、実は私はそういうパラレルワールドにいるのでは…という気持ちになるときがあります。

 

 

世界の中で日本だけがおかしなことになってるのかと思っていましたが、この本を読んで、世界もおかしなことになってるのか…、と驚きました。(それでもやっぱり日本は異常だと思いますが…)

 


「え、日本の話じゃなくて?」みたいなエピソードがあちこちにあります。

 


本を読んで、イギリスもひどい人権問題や格差があるんだ…と驚きましたが、一方で、社会運動との距離感とか姿勢が、やっぱり日本とは違うよなぁ、とも感じました。

 

そういえば、最近映画「メリーポピンズ」を久しぶりにみました🎬

ストーリーに関係なく、また悲壮感なく登場人物が労働運動に参加してたり、女性参政権訴えてたりして、子供向けの作品でそういった描写があるものをみて育つというのも、そういった姿勢に影響があるのかなぁと思いました。

 


イギリスの人たちの動きを知ると、「こんな社会おかしい!」と思っても、じゃあ今すぐデモ参加しますか?と言われればハードル高いし、真面目に選挙には行きます…ぐらいでなかなか動けない自分に気付かされました。

 

 

2014年〜2021年のブレグジットやコロナ禍の様子が時系列で読めるのでよい復習になります。是非読んでみてください📕

 

 

ベルサイユのゆり

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先日読んだ「マリー・アントワネットの日記」シリーズの続編?スピンオフ?作品「ベルサイユのゆり」を読みました。

 

先日の記事

 

daikiho.hatenablog.com

 

マリーアントワネットの女官長だったランバル公妃が幽霊になって、かつてのアントワネットの周囲の人物たちに会いにゆき、それぞれの立場から、自身と、マリーアントワネットを語る、という1冊。

 

 

 

本の紹介では「究極の百合文学!」とあったので、百合文学なんて読んだこともないしちょっとドキドキしましたが、特にそんな激しい描写もなく、違和感なく読めました。

 

(文脈とか行間から読み取れる人もいるのかしら…?百合文学です、と言われなければ私は全然そう感じないくらいです)

 

 

それぞれが好きに語っているので、それぞれの発言や「マリーアントワネットの日記」でのマリーアントワネット本人の語りとの間に、ちょっとずつ齟齬があったり、「そんな一面もあったの?」、「この人からはそんな風にみえてたのね…」と新たな発見があったり。

 

 

 

この本ではマリーアントワネットは出てこないので、「いや!そんなこと言ってないし!」と本人が出てきて答え合わせする、とかもないです。

 

そもそも、本人の語りを「正解、真の姿」とするのは本人に都合がいいだけですもんね。

 

 

それぞれの語り、証言、噂話から、マリーアントワネット像が浮かんでくる、という、「マリーアントワネットの日記」の「本人の語り」、とは全く違うアプローチ、という感じで面白かったです。

 

 

マリーアントワネットに仕えていた身分のものは、マリーアントワネットを、「革命前のヴェルサイユの素敵な時代」という思い出と共に語っている感じがありますが、マリーアントワネットの娘、マリーテレーズの語りは、冷静に娘の視点から、母をみているものでした。

 

 

 

大人になって、母の言動を改めて考える、というのは私もたくさんしてきました。

状況的に仕方なかったのかな、あれは矛盾してるよな、母もまた弱い一人の女性だったのだな、彼女なりの愛情だったのだろうな、…色んなことを考えて腑に落ちたり落ちなかったりして、受け入れて。

 

 

マリーテレーズの語りにも強烈で静かな愛憎を感じます。

 

表紙がマンガちっくで「百合文学!」と書いてあるとアラサーにはハードル高かったのですが、かなり面白かったです。これ誰かお芝居にしたらいいのに。

 

 

ベルばら、1789などマリーアントワネット関連好きな方はめちゃくちゃ楽しめると思います!(知らなかったらだいぶなんのこっちゃ、になると思います…)

是非読んでみてください📕