daikiho’s blog

不妊治療、本の感想、宝塚、日々思うことなど・・

久々の更新 「夏物語」

軽く3ヶ月ぶりくらいの更新…。本当はもっと更新したかったけれど物件探しやら、体調不良やらで何もできず…まあマイペースにたまに記録がてら書いていこうと思います。


妊娠後期にはいって体調が少し落ち着いてきました。
先週少し早めの産休に入りやっと1冊本が読めました。それがとても面白かったので紹介します。

 

川上未映子著「夏物語」

作家を目指す主人公、夏子とその周りの人間関係についての小説なのですが、テーマが生殖、不妊治療、精子提供…など妊娠・出産にまつわるものです。

以下オチは書いてないですしネタバレってほどのネタバレは書いてないですが、ご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 


主人公の姪っ子、緑子が子どもの頃の、自分の身体への違和感とか自分にもあったなぁと思いますし(忘れてたのに、妊娠して、私産む側の性なんだ…と今実感している感じです。この歳になれば、違和感というより、この妊娠に伴う諸々の面倒が男性なら全くなし、というのがえええーーって感じですが)、夏子が出会う精子提供で生まれた善百合子の反出生主義の考え方(簡単に言うと、産まれて苦しんだり悲しんだりするくらいならみんな産まれてこない方がよいのでは?といった考え方)共感してしまう部分があります。
反出生主義について他でも読んだことがありましたが、そこでも「それでもやっぱり人の誕生は素晴らしい」といった感じで終わりました。まあそう言わないとこの世の全否定になっちゃうというか、救いがないですよね。でも、それでもやっぱり素晴らしいって本当に言いきれる人なんていない気もします。そう信じてる人はいっぱいいると思いますが。

 


こんなことリアルな友達に言ったらさぞ不幸な生い立ちなのか、親を恨んでるのか、望まない妊娠だったのか、とか思われそうですが、どれもそんなことはありません。
ただ、子どもを産むって親のエゴだよな、ってことは覚えておきたい、産んでやった、育ててやった、とかは言いたくないなあと思っています。


ラストの夏子の「何も怖くないねん」、という境地にまではまだ至っていませんが…陣痛も出産も育児も怖いです笑
けどそのうち私の気持ちも親というものになるのだろう、色々考えつつ行き当たりばったりしつつ子育てできたらなぁと思っています。

 

テーマは重いし、妊娠中にこんな本読むなんてとんでもない!って思う人もいるかもしれません。

けど、私は妊娠中だからこそ一度読んで「産む・生まれる」ってどういうことなんだろう?と考えるのにテーマがぎゅっと詰まった良い本だと思います。是非読んでみてください!