小林かいちの魅力 京都アール・デコの発見
「小林かいちの魅力 京都アール・デコの発見」という本を読みました📕
「小林かいち」とは大正後期から昭和初期にかけて、京都で木版絵師として、絵はがきなどをデザインした人物です。
私は東大のすぐ近くにある竹久夢二についての美術館、弥生美術館で開催された小林かいち展で、存在を知りました。(調べたら2008年でした。もう14年前‥)
竹久夢二と同じように美人画をモチーフにしているのですが、夢二よりもっとメランコリックで、顔を手で覆って嘆き悲しんでいる女の人がパターン違いで何作品もあったりします。
絶対性癖歪んでるわ‥と思ったのですが、でも色合いが夢夢しくてすごく綺麗で、寂しげで、心惹かれるものがありました。
そんな小林かいちについての本が図書館にあったので読んでみました。
小林かいちの作品テーマごとの図録なのですが、小林かいち研究についての資料がなかなか読み応えがありました。
1990年代に京都の古書店に並んだ小林かいちの古い絵はがきが研究者の目に止まったことから研究がスタートし、そこから何度かの企画展を開催するなかで遺族が現れ、少しずつかいちの人物像が分かってきたそうです。遺族として名乗り出た小林かいちの次男の方も、父親が「小林かいち」として活動していたことを知らなかったとか。
2009年発行の本なので、今はもっと研究が進んでいるかもしれません。
2008年にたまたまみた企画展が、正に小林かいち研究の一環だったようです。
何の気なしにみた企画展でしたが、研究の1コマだったのだなぁとなんだかちょっと感動しました。
伝記の巻末にある年表とか、事実を羅列してあるあって当たり前のものとして読み飛ばしてしまいますが、一つ一つ研究して調べて精査して分かったことの結晶なんだなぁと思いました。
小林かいちの作品、どれも素敵なので一度手に取ってみてください。