daikiho’s blog

不妊治療、本の感想、宝塚、日々思うことなど・・

同志少女よ、敵を撃て

2022本屋大賞を受賞した話題の本、逢坂冬馬著「同志少女よ、敵を撃て」を読みました📕

 

第二次世界大戦時のソ連で活躍した、女性スナイパーたちのお話。そういった方たちの存在はスヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ著「戦争は女の顔をしていない」を読んでいたので知ってはいましたが、これは小説なので戦闘シーンの臨場感などは、インタビューからなる「戦争は女の顔をしていない」より迫るものがありました。

 

 

私が印象に残ったのは、犬に爆弾をくくりつけて敵戦闘機に突っ込ませていくシーン。

可愛がっていた犬たちで、残酷なシーンとして描写されています。

もちろん残酷なのですが、かつての日本軍の神風特攻は、これと同じようなことを人間にやらせていたんだな、と思うとゾッとします。

 

戦争の悲惨さと、戦中・戦後、女性として生きることについて描かれていてます。戦争の悲惨さはたくさんの作品で描かれていますが、女性としての生きづらさにスポットがあたっているのは珍しいのではないでしょうか。また登場人物たちの加害者としての残酷さも、戦争が人を狂わせることを物語っています。狂ってしまったのに、戦争は終わることの辛さも。

 

シスターフッドが大きなテーマ故の結末って感じもありますが、単なる戦争モノとは一線を画す作品でした。是非読んでみてください!