ドラえもん論 ラジカルな「弱さ」の思想
こんにちは😃daikihoです
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本日の読書記録📕
杉田俊介著「ドラえもん論 ラジカルな「弱さ」の思想」を読みました。
子どもの頃、春になると公開されるドラえもんの映画を毎年見に行っていました。
子どもたちだけの楽園を作ったり、地底・海底、宇宙などに冒険に行ったり、タイムスリップしたり。
毎年ワクワクして見に行っていました。
だけど、ドラえもんの映画ってトラウマになるような怖い描写が結構あるんです。
自分自身の存在や、目に見えているこの世の全ては嘘なんじゃないか、みたいな、当たり前と思っている基盤を全部ひっくり返されてしまうような描写です。
そんな子どもにはゾッとするようなストーリーは、この本では、藤子F不二雄先生の思想が反映されているのでは、という分析が展開されます。
著者は、あくまでも個人的な見解としているのですが、確かに言われてみればなるほど、と納得してしまいました。
のび太は何度も失敗し、大して成長もしない。
そんなもんだという諦めもありながら、
それでも、
少しはマシになるように、「まっとう」であるように、生きようとすることがのび太の良さなんじゃないか。
そして、藤子F不二雄先生は、人類と宗教、科学の関係とも同じようにとらえていたのではないか。
戦争は終わらず、格差は拡大し、過去に学ばす失敗を繰り返す。
それでも、少しはマシになることを信じて、生きていかねばならない。
どれだけ失敗を繰り返しても、その「生きること」への希望だけは、藤子F不二雄先生は肯定していたのではないか。
上手く要約出来ないのですが、私はそんなふうに理解をしました。
戦争、政治不信、格差。ニュースをみていて、時代?人類?に絶望感を覚えること、私はよくあります。
けれど、それでも。
少しずつマシになることを信じて進む。
めちゃくちゃパワーがいるけれど、すごく尊いことだな、と感じるのでした。