蟹工船
読書記録です。
小林多喜二著「蟹工船」を読んでみました📕めちゃくちゃ有名なプロレタリア文学作品ですね。
蟹を獲って船上で缶詰作業も行う蟹工船での奴隷的な労働に従事していた工夫たちが団結してサボタージュ、ストライキを行っていく話です。
前半は労働者たちの生活、対する資本家(実際の資本家は出てこないのですが、船の「監督」とかがその象徴なんだと思います)の非人道的な振る舞いが描かれていて、読んでいたらむせ返る臭いが漂ってくるような作品です。(食事中に読むのはお勧めしません…笑)
そこから自然発生的に労働者の団結が起こり、サボタージュやストライキを始めていきます。
昔の話、と読んでしまうかもしれませんが、度々年収の低さや、コロナでの失業、ブラック企業についてなどが話題に上がる日本では、決して「昔話」で終わらせられない作品だなぁと思いました。
労働者運動や組合活動って、日本だと、眉をひそめてしまいがちですが、当然の権利で、機能してないとあっという間に使用者側に搾取されて奴隷のような労働環境に陥ってしまうものだと思います。
最近色濃い、貧乏人は黙っていろ、という圧力や、勤労・清貧を良しとする文化など、声を上げづらい環境ではありますが、声をあげることの大切さ、一人では闘えないとき団結することの意義がよく分かる作品でした。
自分の子どもにも、自分自身を守るためにそういう価値観も身につけて欲しいな、と思いました。特にこれからの日本では。
割と短くてすぐ読めるので是非読んでみてください!