daikiho’s blog

不妊治療、本の感想、宝塚、日々思うことなど・・

新聞と戦争

私事ですが4月に出産しました!やっと体調が復活してきたので投稿しますー

 

産前から産後にかけて読んだ「新聞と戦争」という本。朝日新聞第二次世界大戦の際、なぜ、どのように戦争協力したのかを、当時の資料や存命の当時の記者の方への取材などから朝日新聞自身が検証した1冊。

初版は2008年で当時の方からお話をきくには多分ギリギリのタイミング。朝日新聞が自社の戦争責任を考える意義のあるものだと思います。

 

 

なぜ戦争協力したか。

軍部からの圧力があったから。新聞の売れ行きが伸び悩んだ時代で満州という新たな市場は魅力的だったから。などなど様々な視点から理由が語られています。

 

それに対し、じゃあどうすれば良かったか。

記者たちはそれぞれの生活を守るため、ジャーナリズムを貫けなかった、なのでジャーナリストとしての覚悟をもって行動するべきだった。というようなことが語られていました。

 

そりゃそう。

だけど、それはめっっっちゃくちゃ難しいことですよね。この本が書かれた2008年は、また戦争が起こるかもしれない、という危機感も今ほど切迫したものではなかったでしょうし、結局書いてる人たちは当時の戦争責任者じゃないからそう言える。(後書きには、当時の記者を簡単に断罪して終わらせてはならない、とは書いてありましたが。)今後ジャーナリズム精神だけを拠り所にしていては、また同じことを繰り返してしまうのではと思いました。

私だって子どもが生まれて、この子のためだったら権力に屈して罪を犯すのかもしれない、という感覚が芽生えました。誰だって自分や家族、身内が一番大切です。

それを前提として、裁判官の身分保障のような(実際にやろうとしたら様々な課題があると思いますが)権力に屈しなくてすむ仕組みがジャーナリストにも必要なように思いました。

 

そして今、日本のメディア報道の自由度は年々順位を下げています。ジャーナリズムを貫く、といった朝日新聞やその他メディアは今どういった振る舞いをしているのか。ちゃんとみていなくては、と思いました。