マリー・アントワネットの日記
久々に本が読めたので読書録を📕
吉川トリコ著の「マリーアントワネットの日記」を読みました。Roseとbleuの上下巻です。
彼女のヴェルサイユでの生活から断頭台に登るまでを、現代の女子高生のような感性・語り口のマリーアントワネットの日記の体で、が綴られる一冊。
マンガ「ベルサイユのばら」が大好きなので、マリーアントワネット関連の書籍・映画などはつい手が伸びてしまいます。
ツヴァイク・遠藤周作の「マリーアントワネット」も、中野京子の「ヴァレンヌ逃亡」も、「マリーアントワネットとマリアテレジアの秘密の往復書簡」も、ソフィアコッポラの映画「マリーアントワネット」も一通り触れてきました。
どのマリーアントワネット像も王族としての誇り高さと、王族ゆえの浮世離れっぷりが描かれているように思います。
けれどこの本の書籍紹介は
「このプリンセス、他人とは思えない!
ハーイ、あたし、マリー・アントワネット。もうすぐ政略結婚する予定www…」という一文から始まります。
表紙がアニメチックでティーンの子が読むような本かしら…と思いながらも、私が知る今までのマリーアントワネット像とは一線を画すようで興味を持ちました。
断頭台でギロチンの刑に処される、というどうしたって悲劇的な結末を、この軽さでどう表現するのだろう…?と。
読んでみると、今までのマリーアントワネット像の中で一番賢い女の子のように思いました。
自身の理不尽な状況をしっかり言語化して愚痴りつつ、それでも腐らず役割を果たそうと葛藤して懸命に生きた女性像でした。
もちろんフィクションだし、そんな現代的な価値観持ち合わせてはないだろ、とツッコミたくなる箇所は多々ありますが、でも案外こんな人だったのかもなぁ、と親近感を覚えて応援したくなります。
軽薄だった女の子が、誇り高い王妃として非業の死を遂げるまでをしっかり読ませてくれるし、けど重くならず最後まで軽やかでした。
ベルばらファンでもかなり楽しめる本だと思いますので(というかマリーアントワネットファンならクスリとくる小ネタみたいなのが散りばめられています)ぜひ読んでみてください📕