daikiho’s blog

不妊治療、本の感想、宝塚、日々思うことなど・・

自分ひとりの部屋

ヴァージニア・ウルフ著の「自分ひとりの部屋」を読みました📕

 

「女性と小説(フィクション)」をテーマにした講演を元に書かれた評論です。

古い文章を翻訳したものなので最初はとっつき辛さもありましたが、読み進めるうちに、励まされたり、「そうそう!」と共感したり、先人たちの苦労に思いを馳せたりしました。

 

一番共感したのが、男性によって描かれる小説の中の女性像についです。

極端に美しいか醜いか、または妖艶か、程度で単純化され過ぎていて生身の複雑さがない、みたいなことが書かれているのですが、(だいぶざっくりしたまとめです)「いやほんとそれな!」と感じました。

 

ある時、「有名な小説あんまりちゃんと読んだことないなぁ〜」と思い、村上春樹村上龍重松清など有名どころをザーッと読んだことがありました。

そのときの感想が、「やたら何考えてるかよくわからん女の人と結局セックスする話多くない???」でした。

価値観は人それぞれですが、女側の視点だと、そんなに意味もなく好きなのかもよく分からん態度でセックスしないよ??セックスはするにしても女にだって人格あるよ??なんか醜いとか美しいとかの外側はあるけど女の人の考えとか人間性が何にも見えない‥と不思議でした。(私の文学的素養がなさすぎると言われればそれまでですが‥。逆に、セックスするけど(別にそれが主題ではないけど)それについての心の機微が描かれていていいなぁと思うのは田辺聖子著の「ジョゼと虎と魚たち」とかです。)

 

たまたま読んだ本がそうだっただけかもしれませんが、あの時の違和感について、ヴァージニアウルフの言葉で腑に落ちてしまいました。

 

古い訳と片山亜紀さん著の新しい訳と両方読みましたが、片山亜紀さんの新訳の方が読みやすいと思います。

 

ジェンダーや家父長制の問題は、思っている以上にいろんなところに蔓延っているので、思いもよらなかった・意識もしていなかった違和感の答えがみつかるかもしれません。

是非読んでみてください!